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形容詞の変化(強変化・弱変化)

形容詞にも強変化・弱変化がある

Section titled “形容詞にも強変化・弱変化がある”

強変化名詞と弱変化名詞で見た名詞の区別と同様に、古ノルド語の形容詞にも「強変化」と「弱変化」の2系統がある。ただし名詞の場合とは異なり、1つの形容詞が意味に応じて両方の変化形を使い分ける点が特徴である。この仕組みは現代ドイツ語の形容詞変化(定冠詞の有無による語尾の違い)とよく似ている。

変化 使われる場面
強変化 名詞に定冠詞が付かない場合、および叙述用法(「〜は…である」の…にあたる部分)
弱変化 名詞に定冠詞(接尾辞または前置の hinn)が付く場合、指示代名詞・所有格代名詞が伴う場合

gamall(年老いた)の強変化(男性・単数)

Section titled “gamall(年老いた)の強変化(男性・単数)”
強変化
主格 gamall
対格 gamlan
属格 gamals
与格 gömlum

gamall(年老いた)の弱変化(男性・単数)

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弱変化
主格 gamli
対格 gamla
属格 gamla
与格 gamla

弱変化形は格による語形の区別がほとんど失われ、多くの格で gamla という同一の形になる点が名詞の弱変化と共通している。

強変化(定冠詞なし・叙述用法)

gamall maðr kom
gamall maðr kom
年老いた(強変化) 人(主格) 来た
「一人の年老いた人が来た」

弱変化(定冠詞と共起)

hinn gamli maðr kom
hinn gaml-i maðr kom
その 年老いた-弱変化 人(主格) 来た
「その年老いた人が来た」

同じ gamall(年老いた)という形容詞でも、名詞に定冠詞が付いているかどうかで語尾が変わっていることがわかる。これは「不特定の年老いた人」(強変化)と「(既に話題に上っている)その年老いた人」(弱変化)という、意味上の**特定性(definiteness)**の違いに対応している。

オーディン

💬 学びのコラム:形容詞が「特定・不特定」を語る

オーディン:フレイヤ、"gamall maðr"(一人の年老いた人)と "hinn gamli maðr"(その年老いた人)、形容詞の語尾がちょっと違うのに気づいた?

フレイヤ:ほんとだ。gamall と gamli。同じ「年老いた」なのに形が変わるのね。

オーディン:これは英語の "a" と "the" の違いに近い情報を、形容詞自身が背負っているんだ。定冠詞が付く弱変化の形は「もう話に出てきた、特定のその人」を、強変化の形は「初めて登場する、不特定の誰か」を示している。

フレイヤ:ドイツ語を勉強したことがある人なら、"ein alter Mann" と "der alte Mann" の違いにそっくりだって、すぐぴんと来るはずね。