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カデシュの和平条約を読む

カデシュの和平条約は、ヒッタイト王ハットゥシリ3世とエジプトのファラオ、ラメセス2世との間で前1259年頃に結ばれた条約である。その約15年前に両国は、シリアの都市カデシュ付近で「カデシュの戦い」と呼ばれる大規模な戦闘を繰り広げたが、勝敗は決せず、両国とも決定打を欠いたまま長期のにらみ合いが続いていた。この膠着状態を打開すべく、両国は最終的に和平条約の締結に至った。

現存する最古の「双方向」国際条約

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この条約が世界史上特に重要視される理由は、条約を結んだ両当事国それぞれの側の写しが、それぞれの言語で現存しているという、極めて稀な事例である点にある。エジプト側の写しはヒエログリフでカルナックなどの神殿壁面に刻まれ、ヒッタイト側の写しは楔形文字(外交共通語であったアッカド語、および一部ヒッタイト語)でハットゥシャの文書庫に粘土板として残されている。双方の文言を突き合わせることで、内容がほぼ一致していることが確認されており、これは古代の国際条約研究における第一級の資料となっている。

条約は、条約文書の定型表現で見た属国条約とは異なり、対等な大国同士の条約であるという特徴を持つ。主な内容は次のとおりである。

  • 両国間の恒久的な平和と友好の宣言
  • 相互不可侵の誓約
  • 第三国に攻撃された場合の相互軍事援助
  • 政治亡命者の相互引き渡し、およびその者への寛大な処遇の保証
  • 両国の神々(「エジプトの千の神々」「ハッティの千の神々」)を証人とする誓約

以下は、両国の永続的な友好を誓う条項の趣旨を伝える、学習用に単純化した例文である。

nu-za KUR URUḪa-at-ti KUR URUMi-iz-ri-ya-qa
ヌザ・クル・ウルハッティ・クル・ウルミズリヤカ
(再帰)国 ハッティ 国 エジプトとも
「ハッティの国とエジプトの国が」
a-ra-a-u-e-eš-ša-an ḫa-an-te-ez-zi-ya-za za-aḫ-ḫi-ya-za
アラーウエシャン・ハンテッツィヤザ・ザッヒヤザ
永久に 最初から 戦いを(否定的に)
「今後永遠に、争いをやめる」

カデシュの和平条約は、その歴史的重要性から、現代でもしばしば「現存最古の国際平和条約」として言及される。この条約の写し(複製)は、ニューヨークの国連本部にも展示されており、古代における国家間の平和的解決の先例として、現代の国際関係の文脈でも象徴的に参照されることがある。

タルフンナ

💬 学びのコラム:3000年前の「平和条約」が国連にある

タルフンナ:ウルシェム、ぼくたちとエジプトが結んだ和平条約の複製が、なんと現代のニューヨークの国連本部に飾られているんだって。

ウルシェム:すごいでしょう。しかも両方の言語の写しが今も残っていて、内容がちゃんと一致しているのが確認できるのよ。

タルフンナ:戦争のあとに、勝ち負けにこだわらず「もう争うのはやめよう」って両方から約束したんだね。

ウルシェム:3000年以上前の出来事なのに、今の国際社会にとってもお手本になるなんて、少し誇らしい気持ちになるわね。

📝 理解度チェック

Q1. カデシュの和平条約はどの2国の間で結ばれたか。

✅ 正解です!

❌ 不正解です。正解は A「ヒッタイト王国とエジプト」。

解説:カデシュの和平条約はヒッタイト王ハットゥシリ3世とエジプトのラメセス2世の間で結ばれた。

Q2. この条約が世界史上特に重要視される理由は何か。

✅ 正解です!

❌ 不正解です。正解は A「両当事国それぞれの側の写しが現存し、内容がほぼ一致していることが確認できる稀な事例だから」。

解説:双方の言語による写しが現存し、内容の一致が確認できる点が特に重要視されている。

Q3. カデシュの和平条約が属国条約と異なる点は何か。

✅ 正解です!

❌ 不正解です。正解は A「対等な大国同士の条約である」。

解説:属国条約とは異なり、カデシュの和平条約は対等な大国同士の条約である。

Q4. 条約の主な内容として本文が挙げていないのはどれか。

✅ 正解です!

❌ 不正解です。正解は D「エジプトへの毎年の貢納義務」。

解説:本文が挙げるのは平和宣言・不可侵・相互軍事援助・亡命者引き渡しであり、貢納義務は挙げられていない。

Q5. この条約の複製が現代に展示されている場所として本文が挙げるのはどこか。

✅ 正解です!

❌ 不正解です。正解は A「ニューヨークの国連本部」。

解説:この条約の複製はニューヨークの国連本部にも展示されている。